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[20571] グローバル化とポピュリズムの台頭削除   返信 
2016/12/9 (金) 19:44:18 徳翁導誉

> > そもそもトランプとかもそうですけど、「台頭する右派」とされる彼らの主張を見ても、
> > 右派とか、保守とか、民族主義とか言うより、単なる「内向き志向(懐古主義)」に近い印象ですしね。

> 確かに、内向き主義というのは民族主義なんかよりもよっぽど危険じゃないんでしょうか。
> さすがに世界大戦は起きないでしょうが、またどこかで紛争の1つや2つは起こるのでは……と思ってます。
> ですが、これらの急進的政権の発足は何が背景にあるのでしょう?
> 私の浅知恵の分析ですが、急進的な政権の発足には何らかの社会不安があるのが常です。
> 現在、世界規模での急進政権乱立はイコール世界規模での社会不安を意味します。
> それもここ数年で急進政権が発足したということはそれらの不安がここ数年で高まったということだと考えています。
> 多分、グローバル化が根底にあるのでしょうが、グローバル化自体は昔からのことですし。
> 急進勢力の台頭はここ数年ですからそれだけではないのではないかと考えています。

「グローバル化自体は昔から」とおっしゃいますが、平成の28年間でも相当の変わり様ですよ!?
1989年(平成元年)の冷戦終結により、それまで分断されていた世界の状況は一変しましたし、
旅客機の大衆化で、海外旅行も随分身近になりましたし(日本でも30年間で出国者数が4.5倍に!)、
欧米ではEUやNAFTAの誕生によって、ヒトもモノもかなり自由に動くようになり、
アジアやアフリカの経済発展で、それまでアメリカと日本にしかなかった高層ビル群が次々と建ち、
そして何よりインターネットの登場により、情報の流れは劇的なまでに変化しましたからねえ。

経済面で見ても、世界全体に占めるG7のGDP合計の割合は、
冷戦が終結した1989年は7割弱(69.2%)でしたが、一昨年の2014年には5割を切ってます(45.9%)。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/g7transition/
もちろん、G7による寡占状態が崩れつつあっても、世界全体の市場規模は拡大してますので、
それだけであれば、あまり影響を感じなかったかも知れません。
しかしグローバル化により、労働市場まで世界レベルに広がってしまいましたので、
途上国でも行える生産作業なら、人件費の安いそちらへと仕事は流れてしまいますし、
そうなれば、今まで先進国でそうした仕事に従事していた労働者は、職を失う事となります。
また、こうした市場の拡大も、東側諸国からアジア諸国、そしてアフリカ諸国へ至って限界に達し、
更には世界金融危機によって、景気も一気に落ち込みましたからねえ・・・・
で、パイの拡大で誤魔化せていた諸問題が、そこから噴出し続けているのが現在な訳です。

簡単に言うと、あまりグローバル化が進んでいなかった十数年前の世界では、
先進国のピラミッドの下に、中間国のピラミッドがあり、更にその下に途上国のピラミッドがあって、
先進国内では下の方でも、世界全体で見れば「上の下」を満喫できたいた人たちが大勢いたんです。
ですがグローバル化が進み、世界で1つの大きなピラミッドを作るようになると、
「上の上」の層は、ピラミッド自体が大きくなったので、富が更に膨らみましたが、
中間国や途上国の人たち「上」の層に上がってきた事で、今まで「上の下」の層にいた人たちは、
「中の上」や「中の中」へと落とされ掛けている・・・これが「格差社会」の正体ですね。
そして実は、この「落ち掛け」というのも重要なキーワードでして、
過激なメッセージに飛び付く人達というのは、実は既に落ちてしまい困窮している層よりも、
今はまだギリギリ大丈夫だけど、これから落ちてしまう不安や恐怖に苛まれている層なんです。
実際に落ちてしまった人は、将来の不安を憂さ晴らしするよりも、いま現在の支援・救済を求めますので。
(ちなみに、更に落ちると今度は一転して暴力を求め、更にもっと落ちると最後は宗教に助けを求めます)

で、そうした過激な主張が出てきたのは、何もここ最近の話ではありません。
こちらも十数年前には、既に目に見える程までに存在感が出てきていましたし、
ここ数年で起きているのは、ここ10年間くらいはまだ少数派であったモノが、
多数派へと変わりつつある(支持を拡大してきている)って事なんですよね。
こうした問題に対処するのであれば、それこそ10年前の段階でやっておくべきなのですが、
まあ一般的に、人間の社会というものは、早期発見はできても早期治療は困難なもので、
誰もが「どうにかしなくては!」と思って頃には、既に末期で手遅れなんですよね・・・・
だからこそ、ここまで至ってしまった現状においては、
「いかに少ない被害で軟着陸するか?」という段階に来てしまっています。
そして、その着陸に失敗した場合には、戦争というシナリオも決して夢物語ではありません。
それでも多くの人は、「さすがに戦争までは」と考えてると思いますけど、
第一次大戦や第二次大戦だって、勃発前はそんな見方の人が大勢居ましたし、
今の状況から20〜30年先の事まで考えると、本当に手詰まりで打開策が無いんですよ・・・・
そんな状況で、平和ボケした自称・現実主義者が、大丈夫だと高をくくり危険な火遊びを繰り返し、
それで一旦、火が燃え広がってしまえば、戦争なんてモノは簡単に起きてしまいます。

東日本大震災の直後だった事もあり、日本ではあまり認識されてませんけど、
リビアやシリアでの混乱だって、元はフランス大統領選挙で再選を目指したサルコジが、
裏金を貰っていたリビアと、旧植民地であったシリアで、反政府活動へ安易に手を貸したのが発端で、
その為に大量の難民が発生して、しかも両国とも地理的な要衝であった為に、
リビアからは地中海ルートで、シリアからはバルカン半島ルートで、欧州へと難民が流れた訳です。
つまり、再選を目指す1人の大統領の暴走が、これだけの事態を生んでしまってるんですよね。
アメリカCIAの火遊びで、ここまで事態を悪化させてしまったウクライナ問題にしても、
ロシアはクリミアを併合する強攻策で応じましたし、強攻策に強攻策で応じれば、それこそ戦争です。
クリミア半島はズデーテンであり、バルト3国がポーランド回廊となる可能性だってありますからねえ。
まあ流石に、プーチンはそこまで軽率な事はしないでしょうけど、次の指導者は解りませんし・・・・

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